時代を読むキーワード4

時代を読むキーワード4

ブロックチェーンのお話 「最終回」。

便利なような、でも ちょっと不安なような・・
正直、ブロックチェーンについてはよくわからない。

それもそのはず。世界中の人たちも
あなたと同じように首をひねりながら悩んでます。

でも、真剣に考えなくちゃいけない時代が

もう来てるんですよね・・

ブロックチェーン④

未来 2:独⾃の経済圏を構築できるようになる

ブロックチェーンの利点の1つは、

 

「複数のサーバーを利用して簡単に情報を管理することができる」こと。

 

 

難しいようですけど、理屈はカンタン。

 

前回、トマトの流通やパン屋さんの例でお話したように
「みんなで情報を管理しようね」っていうだけの話です。

 

 

ブロックチェーンによって、あらゆる情報は
透明性を持って管理されるため、信頼性が確保されます。

 

情報の信頼性が確保されるからこそ
前回お話したようなことが可能になるわけです。

 

ですから、理論的には「独自の貨幣を作る」ことも可能ですし
その具体的な事例のひとつが“ビットコイン”だったのです。

 

 

つまり

 

極端に言うと「国」が発行するお金(紙幣・貨幣)に頼らずに
コミュニティ内で経済圏をつくることさえ可能なのです。

 

 

小さな経済圏を作ることのメリットを、個人や中小規模のビジネスや
コミュニティに属するメンバー全員が受けることができます。

 

そのうえ、ブロックチェーンの仕組みによって

 

極めて信頼性の高い情報ネットワークを構築することができるので
膨大な手間と、時間と、人件費が必要な「管理業務」が不要になるのです。

 

未来 3:国が潰れても⽣き残れる

 

よく「持続的な社会」という言葉を聞くようになりました。

 

おもに “環境問題” の分野で使われる言葉ですが
実際には、政治・経済の世界でも「持続可能性」が深刻なテーマになっています。

 

ここでは詳しくお話しませんが

 

いまから40年前にピーター・ドラッカーによって書かれた名著『断絶の時代』

 

NHKが2016年からBS1で毎年放送している『欲望の資本主義』のテキスト

 

などは、現在の「国」や「経済」を理解するために読んでおきたい書籍です。
(かなり脳ミソが疲れることを覚悟する必要がありますけど‥)

 

なんとなく、私たちは「今のままの世の中」が続くように思っていますが、
実際には ”資本主義の仕組み” そのものが危機を迎えていることが分かります。

 

だからこそ

 

政治・経済の“持続可能性”が問われているいま、
以前ご紹介したエストニアの事例に目を向けてほしいんですね。

 

ブロックチェーンを使用すれば、たとえ国が崩壊しても
小さな経済圏として運営が可能になることがわかりますから。

 

つまり

 

国が崩壊し、生活インフラがめちゃめちゃになって
たとえ通貨価値が失われとしても、あなたの生活環境は
ブロックチェーン技術によって存続させることができるわけです。

 

資本主義経済とは違う「信用経済」

なんだかよくわからない話だと思いますので、

 

メルカリのようなプラットフォームを
自分たちで運営することをイメージしてください。

 

コミュニティ内でプラットフォームを作成して、そこに参加し、
メンバーがお互いにサービスを提供しあったり、物々交換をするわけです。

 

そして

 

信頼できる取引が行われた場合(=これが”価値の交換”

 

プラットフォームの提供者であるコミュニティは
信用貨幣としてクーポンを提供します(=これが”独自通貨”)。

 

このクーポンは、現在の通貨のような役割を果たしますから
クーポンを使用することで、新しい製品やサービスを受けとることができます。

 

原則、この取引に「国の介入」はありません。

 

なぜなら、

 

国が発行する通貨を一切使用しないからです。

 

エストニアが挑む「まったく新しい未来」

 

エストニアが、ブロックチェーンの実験国家だと考えると、
まったく新しい未来を目撃することができます。

 

 

エストニアでは、ビジネスで出会った全ての人の経歴が
インターネットで閲覧できる世界が実現されています。

 

ですから

 

エストニアでは「見た目」や「巧みなセールストーク」だけでは
ビジネスに成功することはできません。

 

自分の経歴が徹底的に調査され、取引の重要な判断材料となるのです。
日常生活での誠実さと“まじめな姿勢”が成功に直結するのです。

 

このようなシステムに基づく社会がエストニアでは現実になっています。

 

 

「天国」or「牢獄」

しかしこのシステムは、一方で息苦しさも伴います。

 

ブロックチェーンの世界では
敗者復活が難しくなるからです。
(だから「監視社会」という言葉が話題なのです)

 

もし、犯罪を犯してしまった場合・・

 

それは経歴として永遠に残り
ネットで閲覧可能となってしまいます。

 

もし、誰かに訴えられれば、それも経歴として残ります。

 

 

私たちの国がこのシステムを
どの程度導入するのかはわかりませんが、

 

その可能性は非常に高いと言えるでしょう。

 

・・なぜなら、
そうすることで「国民を管理する」うえでの利点が多いからであり

 

その先陣を切っているのが「マイナンバー」だからです。

 

つまり、エストニアの経済実験は
日本の “未来の在り方” を示しているのですが・・

 

 

国家が国民全員を「マイナンバー」で一元管理する社会と、

 

それとは正反対に

 

地方のコミュニティーが協力し、独自のブロックチェーンで
自分たちの生活を運営する社会と。

 

 

どちらの未来を選ぶかは「私たち自身」が考え
選択しなければならないことなのです。

 

なのに、ろくに議論もされないまま

 

一方的に「マイナカード」が義務付けられようとしている意味を..

 

私たちは本気で考える必要があるのです。

 

 

 

ここまでブロックチェーンを簡単に解説してみました。

 

興味をもった方は、ご自身で調べてみたり
My way LABO で学びを深めてほしいと思います。

 

世界は大きな変化の時代を迎えていて・・そして、
それは “遠い未来の夢物語” ではなく
生活に直結する現実なのですから。

 

桜木先生からのメッセージ:

 

デイリー音声「Day160-1079」連動記事: